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映画監督・光武蔵人のブログ&最新情報

2007-05
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過去の遺物

レーザーディスクがついに終わった。
川中美幸さんの「金沢の雨」(カラオケ用LD?)が世界最終プレスらしい。

レーザーディスク。俺にとって、とっても思い入れのある「過去の遺物」。一時は700枚ぐらい持ってたんじゃないかな。

映画小僧になった小学校3年生当時はレンタルVHSで満足してたものの、中学に入り、気に入った映画をコレクションしたくなった。で、悩んだのがVHDかLDか。(覚えてる人います?VHDって)結局、親父と相談して我が家はLDを購入することに。ハードを買ってもらったのは良いが、ソフトがバカ高なことに気付いて愕然(笑)。その年の正月、ナケナシのお年玉を握って当時青山にあったLD専門店までチャリンコを飛ばし、3時間ぐらい店内をウロウロ吟味して「フェノミナ」のLDを中古で買ったのだった。(ジェニファー・コネリーとダリオ・アルジェントの大ファンだった。ダリオは卒業(笑)したけど、ジェニファーは今でも大ファン)

大学にいた頃、自宅で映画をちゃんとした画拡(Aspect Ratio)で見るにはレターボックス仕様のLDソフトしかないということになり、さらにハマった。(画拡とか熱く論じちゃうスノッブなアホ学生映画野郎だったのです。俺は)

その当時、アメリカで映画キチ○イからとても支持されていたLDレーベルにCriterion Collectionがあり、ここはLDの時代から映画に音声解説やメイキング・オブなどの特典に凝っていることで知られていた(結果的にDVDソフトでの音声・映像特典が当たり前となった基礎を作った)。

ある上映会をきっかけにCriterion Collectionで特典のプロデューサーをしていた人に出会い、彼のもとでバイトをすることに。でも、Criterion Collectionは貧乏なので、ノーギャラだという。その代わり、Criterion Collectionから発売しているLDをタダでくれるということになった!1作品$40~$120と高価だったCriterion CollectionのLDをもらえるということで、俺はこのインターンに飛びついた。「羊たちの沈黙」LDの音声解説を画に合わせて編集したり、「東京流れ者」、殺しの烙印」のLD化で鈴木清順監督にインタビューさせていただいたりと大学生の俺にとっては初の本格的な「映画の仕事」がLDからだった。現物支給のギャラでコレクションもどんどん増えた。

そんなLDもDVDの登場で絶滅に追いやられた。携帯の台頭でポケベルが無くなったように。

DVDもいつか過去の遺物になっちゃうんだろーな。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

なんてね。
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